自治会についての注意

革マル派と学生運動

 革マル派とは、正式名称を、日本革命共産主義者同盟革命的マルクス主義派という団体です。武力革命による共産主義を奉じる左翼団体で、同じマルクス主義の団体でも日本共産党とは違い、戦後に生まれた「新左翼」に分類されます。新左翼には、革マル派の他にも、中核派や、革労協など多数の団体が存在します。あさま山荘事件を行った連合赤軍や、よど号ハイジャック事件を起こした赤軍派も新左翼です。

イスラエルのテルアビブ空港でテロを起こした岡本公三は、赤軍派の流れをくむ日本赤軍に属する、鹿児島大学の農学部の学生でした。

 

特に1960~70年年代ごろは、冷戦下での核戦争の危機や、日米安全保障条約への賛否などで極めてきな臭い世情であり、そのような体制に対抗しうる思想とされたマルクス主義に基づいた、日本共産党系の民主青年同盟(民青)も含めた左翼団体による学生運動が盛んでした。今では到底想像できないと思いますが、当時は大学構内にバリケードが築かれ、講義が行えるような状況ではなく、角材や鉄パイプを持った学生が教授を監禁したり、警察の機動隊の鎮圧部隊が構内に突入して学生と戦闘を繰り広げたりということが日常的に行われていたのです。

教授陣も学生運動に必ずしも批判的だったというわけではなく、新左翼を支持していた京都大学のある教授は、「学問というものはバリケードの中からしか生まれないことを知らしめようではないか」と、学生に向かって演説をしていたといわれています。

 

また、大学や国家側との抗争の他に、敵対する左翼団体同士、また同じ組織内でも互いを攻撃し合い、時には残虐な殺人事件に発展した※「内ゲバ」も行われていました。

※ドイツ語で暴力を意味する語、Gewalt(ゲヴァルト)に由来。

 

やがて、内ゲバの恐怖や、あさま山荘事件やハイジャックなどの大規模テロが社会で問題視されるようになり、冷戦もとりあえずは解消され、学生運動は下火になっていきましたが、少数の人々が現在でも暴力革命思想を受け継いで、敵対勢力に爆薬を仕掛けるなどのゲリラ活動、盗聴などの違法行為をし、また、自治会や偽装サークルを使い、全国の大学にメンバーを送り込んで潜伏し、「オルグ」(勧誘活動)を行ったり、使途が不明な自治会費を徴収しています。そのようにして集められた寄付金は、違法活動のための資金に流用されている可能性があります。革マル派もそのような極左的過激派団体の一つです。

 革マル派は、新左翼団体の中でも特に暴力的な活動を行う極左、過激派として知られています。極めて戦闘的な団体で、多くの殺人事件にも関与しました。

共通教育学生自治会と革マル派

さも民主的に選ばれた学生の代表組織を装っている 共通学生自治会は、実態は革マル派の偽装団体であることが強く疑われています。

 

 

生協の書店になぜかこぶし書房の本が並べられている。

こぶし書房とは、革マル派の指導者であった黒田貫一が作った出版社です。講義で使われるテキストや、学術的な本を出している著名な出版社の本と一緒に、なぜかこぶし書房の本も並べられているのです。

 

大学図書館になぜか「解放」が置かれている。

「解放」とは革マル派の機関紙です。朝日新聞や読売新聞などの全国紙があるのは当然として、大学図書館に「解放」が、それも手に取りやすいところに置かれているのです。(ちなみに、中核派の機関紙は「前進」です。これも鹿大図書館に置かれているようです)

 

※余談ですが、「解放」の近くに、仏教系の新宗教団体である、正信会の機関紙である「継命」も置いてあります。正信会とは、創価学会と同じく、日蓮正宗という団体の分派です。創価学会の機関紙である「聖教新聞」は置いていないのに、なぜ「継命」が置いてあるのかがわかりません。また、天皇を盲目的に称える右翼的思想の「昭和」なる新聞も置かれています。学内に関係者がいるのか、偽装サークルが存在するのかもわかりません。何か情報をお持ちの方はご連絡下さい。

 

 

謎の「鹿児島大学学生自治会」

これまで批判してきた革マル派系の「共通教育学生自治会」の他に、「鹿児島大学学生自治会」なる自治会も存在するようです。しかし、活動の実態は定かではありません。

 

サイトによると、革マル派系自治会とは違い、会費を徴収せず、反社会的暴力の追放運動を行っていると書かれており、その点には運営者も同意します。

 

ただし、「偽左翼」という表現は、日本共産党が革マル派などの新左翼に対して使う、「ニセ『左翼』暴力集団」という用語を思い起こさせますが、影響を受けたと述べている、佐賀大学学生自治会連のサイトを見た限りでは、共産党との関係はなく、政治的主張を特に持たない、ノンポリの団体のようです。

 

ところで、佐賀大学学生自治会連は、東大ポポロ事件の判例を引き合いに出し、「国立大学と、学生の関係は、 サービスの売り手買い手の関係である」と述べています。

 

東大ポポロ事件とは、1952年に、東京大学の学生によるポポロという劇団が、政治的な内容の劇を学内で上映していたところ、警官が潜入していたことに気づき、その警官を捕まえて暴力を加えたために逮捕された事件です。第一審では学生に無罪判決が下されましたが、最高裁では学生の有罪が確定しました。しかし、この裁判は暴力行為等処罰法違反の裁判であり、また判決によって明らかにされたのは、警察官が学内の政治活動に介入することは大学の自治を侵害するものではないという点でした。したがって、この判決をもって、学生が学内で一切政治的主張をしてはならないということを意味するわけではありません。

 

鹿大ではそのようなことが起こるとはまず考えにくいですが、仮に大学当局による不当な弾圧が起これば、大学側に抗議する権利は学生は有していると解釈できます。また、学問的研究と政治的活動をはっきりと分離できるかは微妙な問題を含んでおり、現在まで議論の余地を残しています。ですから、佐賀大学の学生自治会や、その流れをくむ鹿児島大学学生自治会は、あまりにも保守的で無批判だと言わざるを得ません。

 

学生と大学側はどちらが主従というわけではなく、お互いが必要に応じて対話を行い、よりよき大学の姿を追求していくべきだと運営者は考えますし、主体的批判的に学問を遂行するはずの学生が、現在は単なる教育サービス業の顧客になってしまっていると教員が嘆いている声は往々にして耳にするもので、なおさら売り手買い手の関係というのは不適切だと考えますがいかがでしょうか。

 

現在も活動の実態があるのかはわかりませんが、鹿児島大学学生自治会には、大学の美化というボランティアサークルレベルにとどまらず、革マル派系自治会や偽装サークルを批判しつつ、学生の目線に立った、大学生のあるべき姿を追求する自治会であることを、また、毎年のソフトボール大会や大学祭等の行事も、過激派組織とは無縁の、明瞭で民主的運営がなされている自治会によって主導されるようになることを期待しています。他にもあるOBは、教員や職員によるパワハラやセクハラを受けた学生を支援したりするのもよいのではないかと言っていました。